インスタグラムは美術館

インスタグラムの考え方について、セミナーや講演でお伝えしていることをいくつかご紹介していこうと思います。ベースになっているのは、このアカウントで10年間試行錯誤して経験してきたことで、あくまで“ひとつの考え方”ととらえてください。今回はのテーマは〈インスタグラムは美術館〉です。

自分なりの“なんか良いな”を表現する

タイムラインを流れる写真は一瞬です。流れる写真を眺めながら、“なんか良いな”と感じて立ち止まってくれるひとがいたら、その人は写真に何かを感じたと思うわけです。セールの文字が目に飛び込んできたから立ち止まったわけではないと。すでに十二分に認知されている老舗メーカーやブランドは当てはまりませんが、ゼロから何かをインスタグラムではじめようと思ったら、自分なりの“なんか良いな”を写真で表現することを考えてみるといいと思います。

インスタグラムは美術館

インスタグラムは美術館と似ています。美術館では、入り口でチケットを買って順路に沿ってすすみ、気になる写真や絵があったら立ち止まってなにかを感じようとします。周辺は暗く、スタッフは存在を消し、案内表示は限りなく控えめで、絵を眺める人と作品が一対一で向き合えるよう全体が設計されています。これと同じことがインスタグラムのUI(ユーザー・インターフェイス)にも感じられるのです。写真と写真を眺めるひとの距離感がとても似てると思うのです。

“なんか良いな”と感じて立ち止まる。

立ち止まってからすべてのコミュニケーションがはじまると思っています。ここを前提にすると、逆にコミュニケーションを台無しにしてしまうやり方がいくつか見えてきます。例えば、もし美術館で絵を眺めてたときに突然、“絵ハガキ売ってます”という文字が目に飛び込んできたらどう思うでしょうか。案内ならまだしも、作品のなかに販売情報が描かれることはふつうあり得ません。インスタグラムも同様に、写真と“お知らせ”は分けるべきだと思っています。まず最初に、“写真がなんか良いな”です。そうして次に文章を、さらに気になればプロフィールをみるという流れです。“なんか良いな”は、個性の表出です。自分にもよくわからない。ですから、続けながらこの“なんか良いな”を言語化することも、とても大切になってきます。