
自分でつくったブランドを長く続けるにはどうすればいいか。そう自問自答する多くのブランドオーナーの関心事はなにか。僕の勝手な想像は、それは、いま目の前にある商品の売れ行きよりも会社の未来の姿だということ。商品ブランドやサービスブランドではなく、企業ブランドそのものの未来への関心です。
他人事ではなく自分ごとなので、関心事ではなく心配事ですね。心配といっても日々思いわずらうようなタイプのものではありません。たとえば、誰でも事業を始めてまもない頃は、心配で眠れない夜が続きます。それでもそのうちに慣れっこになってそんなことなど忘れてしまい、毎晩グーグー寝れるようになるはずです。経営資源が限られる個人商店オーナーにとっては、一円にもならない心配事に価値がないことを、早々に理解するからです。この心配とは別のお話です。
賞味期限:永遠a super long best-before-date
コーヒーのある暮らしTime with a cup of coffee

コーヒーそのものよりコーヒーのある暮らしぶりにフォーカスする。カフェノマがテーマとする『コーヒーのある暮らし』とはそういう意味合いです。コーヒーには賞味期限がありますが、『コーヒーのある暮らし』には賞味期限がないからですが、最初からこのことを意識していたわけではありません。このことに気づいたのは、実は2012年に写真を撮り始めてから数年経ったあとのことでした。

写真は、コーヒーが映り込む暮らしぶり(空気)を切り取るようにして撮っています。この空気感をいかに価値に変えるかが、ぼくが長らく挑んでいるテーマです。そういう意味で、カフェノマの写真は賞味期限という壁を超えたいという僕個人の試みでもあります。


ブランドが長く続く秘訣というのは、なかなか思いつきません。それでも価値が永く続くことをメタ認知しつづけると、そこにはやっぱり“普遍性”というテーマが浮かび上がってきます。この賞味期限のない普遍的な価値をみつけることこそ、ブランディングという行為だと自分は思っています。